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インサイダー取引【いんさいだーとりひき】

インサイダー取引とは、証券会社や上場会社の関係者等が、その職務や地位により知り得た重要事実を利用し、株券等の金融商品を不正に売買する行為である。金融商品取引法により規制されている内部者取引について、公表前の禁止行為を違反したケースを指す場合が多い。内部者取引とも言う。

関連した単語

重要事実と公表

投資家は、公表された情報を判断材料として株式売買の取引を行う為、情報の開示は常に公正でなければ証券市場の信頼が失われ、投資家の不信を買うことになる。その為、重要事実の公表以前に行われる取引は、不公正であるとして金融商品取引法(旧:証券取引法)により、禁止行為として罰則が設けられている。重要事実とは、株式上場企業の内部情報を指す。特に、株価の騰落を左右しうるなど、一般投資家の投資判断に著しい影響を及ぼしかねない情報を言う。具体的には、決算情報や、買収、業務提携といった経営上の重要な情報の事である。企業内部の者は、業務上こうした重要事実を知りやすい立場にあると言え、その立場を利用した不正取引をインサイダー取引と言う。重要事実の規定は、金融商品取引法第166条第2項に準じている。重要事項の公表は、ただ単に重要事実が公衆に知れ渡るという意味でなく、金融商品取引法に則った措置が講じられた場合をいう。代表的な措置としては、12時間ルールがある。これは、当該上場会社の代表取締役等が、2つ以上の報道機関に対して重要事実を公開したときから12時間が経過している必要があるというルールである。

インサイダー取引を規制するために

インサイダー取引を規制するために、課徴金制度がある。これは、内閣総理大臣(実際は金融庁長官に委任)により、インサイダー取引を行った者に対して、課徴金(租税以外に国が徴収する多様な賦課金全般)の納付を命じるものである。他に、インサイダー取引により利益が生じた有無に関わらず、刑事罰の対象ともなる。金融商品取引法第197条の2-13号により、5年以下の懲役、もしくは500万円以下の罰金、またはこれらの併科が課せられる。しかし、課徴金制度とは異なり、インサイダー取引の立証責任は立件する検察にあり、機動的な摘発は時間とコストを要するために容易ではない。日本では、1992年に証券取引等監視委員会が設けられ、証券取引における警察の役割を果たし、証券会社等への立入検査や証券取引関係の情報分析等の業務を行っている。強制調査による、司法当局への違法行為の告発、行政処分勧告の権限を有している。近年の監視及び調査はシステム化の高度な進化により、摘発件数が増加傾向にある。現在は、重要事実が公表された銘柄や、株価変動の大きい銘柄等の売買取引の監査、抽出された不審な取引に関する個人情報の特定が完全に自動化されるまでになった。また、株式等の決済の合理化に関する法律(決済合理化法)が2009年1月5日より施行され、株券電子化制度の導入により、これまで把握できなかった株券を介する相対取引でのインサイダー取引が不可能になった。

問題

インサイダー取引が証券市場に影響を及ぼす理由を簡潔に述べよ

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