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熱力学第二法則【ねつりきがくだいにほうそく】

まず、外部に何の影響も与えることなく元の状態に戻すことが出来ない変化を不可逆変化という。熱力学第二法則とは「熱の移動は不可逆変化であって、高温の物質から低温の物質へと移動するだけで熱が元に戻ることはない。」ということをいう。エネルギーの移動の方向(流れる向き)とエネルギーの質(地位)に関する法則である。例えば、液体を電気で加熱するとエネルギーは一方向にしか移動しない。電気エネルギーは冷水を温めることは出来るが、温水から電気エネルギーを取り出せない。この場合、電気エネルギーは質の高いエネルギーであるといい、温水のエネルギーの質は低いという。力学的現象に於いては、空気抵抗や摩擦が原因で熱の発生があり、それは不可逆的な現象である。熱力学に於いては、熱伝導や摩擦熱などを取り扱うが、これも不可逆的な現象である。熱力学第二法則はこれら不可逆変化に関する法則に就いて述べている経験則である。他の物理法則と同じ様に日常的な経験とは直観的に矛盾しないようにして多くの事象から帰納されたことが根拠となって法則が成立している。

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熱力学第二法則はエントロピーの法則である

熱力学第二法則は科学者によって色々な言い方をされている。通常次の三つの形で表現される。(1)クラウシスの原理 「外部に何の変化も与えずに熱を低温から高温へ移すことは不可能である。」(2)トムソンの原理 「外部から熱を吸収してこれを全て力学的な仕事に変えることは不可能である。」(第二種永久機関は存在しない) 第二種永久機関とは、外部から熱を吸収して、これを全て力学的な仕事に変える機関のことをいう。例えば、海水の内部エネルギーを吸収して、それを力学的仕事に変換して航行する船を造ることが出来るのか。熱力学第二法則はこれが不可能であることをいっている。(3)エントロピー増大の法則 「不可逆断熱変化ではエントロピーは必ず増大する。」但し、可逆断熱変化ではエントロピーは変化しない。エントロピーの増大はエネルギーの質の低下を表わしている。エントロピーとは、「無秩序の度合い」を表わす物理量である。例えば、氷は個体で分子の位置が定まっているのでエントロピーが小さいという。熱が加えられ液体になり気体になると分子は散乱して行く。これをエントロピーが大きくなるという。統計力学の立場では、エントロピーとは「乱雑さ」を与えるものであり、それが増大するように不可逆変化が起こるとしている。参考までに、熱力学第二法則によって次のカルノーの定理が導かれる。

カルノーの定理1

「不可逆機関の熱効率は、同じ高熱源と低熱源との間に働く可逆機関の熱効率よりも小さくなる。」

カルノーの定理2

「可逆機関ではどのような作業物質のときでも高熱源と低熱源の絶対温度が等しければ、その熱効率は全て等しくなる。」

問題

何故「第二種永久機関は存在しない」といえるのか答えなさい。

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