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ニュートリノ【にゅーとりの】

ニュートリノとは、電気的に中性なレプトンであり、物質を構成する最小の単位である素粒子の一つである。ニュートリノは宇宙から絶え間なく地上に降り注いでおり、1cm2あたり毎秒660億個ものニュートリノが飛来しているとされるが、他の物質とほとんど反応せずに物質を突き抜けて飛来しているこの粒子は検出・観測が難しい物質であり、他の素粒子に比べて発見が遅れた素粒子である。現在は同じく物質を構成する荷電レプトンである電子、ミュー粒子、タウ粒子とそれぞれ対をなしている電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、タウニュートリノの3種類の存在が確認されている。

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ニュートリノとβ崩壊

中性子が陽子に変化する過程においてはβ線とよばれる電子が放出されるが、放射線としてβ線を放出する放射性崩壊をβ崩壊と呼ぶ。放射性物質が放つ放射線は、ヘリウム原子核であるα線、電子であるβ線、波長の非常に短い電磁波であるγ線からなるが、α線やγ線のエネルギー分布が離散的であるのにたいしてβ線だけが連続的なエネルギー分布を示す。この不可解なβ線の連続的なエネルギーレベルを説明するためにβ崩壊の理論が探索され、1931年にスイスの物理学者であるヴォルフガング・パウリが新粒子の存在を仮定すればβ崩壊の連続エネルギー分布が説明できることを提唱し、その後フレデリック・ライネスらの実験により、新粒子、すなわちニュートリノの存在が証明された。

ニュートリノと観測装置

ニュートリノはβ崩壊などの弱い相互作用と重力相互作用しか反応しないが、ニュートリノの質量は非常に小さいために重力相互作用にもほとんど反応しない。ニュートリノは物体を突き抜けてしまうほど透過性の高い粒子であり、観測しようとする装置すら素通りしてしまうが、ニュートリノが水分子に含まれる陽子や電子をはじき出したときにごくまれにみられるチェレンコフ光を検出することにより、ニュートリノの存在を観測することが可能である。この観測方法には大量の水を蓄えたタンクが必要であり、東京大学宇宙線研究所は他の宇宙線の影響を避けるために岐阜県飛騨市神岡町神岡鉱山内の地下1,000mに直径39m、高さ41mの純水5万トンが入る巨大な水槽内を設置し、水槽内に11,200個もの光電子増倍管を備え付けたニュートリノ観測装置スーパーカミオカンデを建設してニュートリノの観測成果をあげている。

ニュートリノとニュートリノ振動

ニュートリノと対をなすレプトンには電子、ミュー粒子、タウ粒電子があるが、ニュートリノが伝搬していく過程において、生成時に決定されたレプトンが別のレプトンへと周期的に変化する素粒子物理学での現象がニュートリノ振動である。ニュートリノは弱い相互作用しかもたないことから発見当初から質量のない粒子であると考えられてきたが、ブルーノ・ポンテコルボによって予測されたニュートリノ振動はニュートリノが質量をもたないと説明ができない現象であり、1998年にスーパーカミオカンデが大気から降り注ぐニュートリノを観測してニュートリノ振動が観測されたことにより、ニュートリノが質量を有していることが発見され、その後、K2K実験によって人工的に作り出されたニュートリノによる実験においても、ニュートリノの質量の存在が99.99%の確度で検証された。

問題

3種類のニュートリノについて説明しなさい。

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