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セル生産方式【せるせいさんほうしき】

セル生産方式とは、製造業の生産管理手法の1つで、セルと呼ばれる小規模な生産ライン単位で1つの製品を製造する。各セル内では、少人数の作業員で製品が完成するまでの全工程を担当する。ベルトコンベア方式の流れ作業とは異なり、作業員1人が1工程を担当するのではなく、作業員1人が複数の工程を担当することになる。  

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日本で考案されたセル生産方式

セル生産方式を考案したのは、日本の経営コンサルタント、山田日登志氏である。同氏は、もともと、トヨタ生産方式を、様々な業種の製造現場の実態に合わせて導入する手法で、数多くの工場の改革を成功させていた。しかし、80年代以降、人件費の安い中国や東南アジアの製造業が台頭するようになり、その影響で、かつて同氏が改革を手掛けた工業も潰れるようになってしまった。そこで、そのような価格競争に負けない方法として同氏が考えついたのが、セル生産方式である。

セル生産方式の特徴

セルと呼ばれる小規模な生産ライン単位で1つの製品を製造する。各セル内では、ベルトコンベア方式の流れ作業とは異なり、作業員1人が1工程を担当するのではなく、作業員1人が複数の工程を担当する。その結果、1つの製品を完成させるまでに必要な人員を減らせることになる。そして、その減らせる分の人員を、新しくつくるセルに投入し、製品の生産量を増やす。その結果、工場の生産効率が向上することになる。

セル生産方式とモチベーションの関係

セル生産方式を導入すると、作業者1人1人が担当する工程が増え、個人の能力が重要視されるようになり、作業者のモチベーションが高まる。その結果、従業員からの積極的な改善提案や、作業効率の向上に繋がることが知られている。しかし、一方で、作業者個人の負担が増す、作業者が作業に慣れるまでに時間がかかる、作業進行が作業者個人の能力や体調に左右される、などの問題点も指摘される。

セル生産方式を積極的に導入しているキャノン

90年代以降、セル生産方式はソニー、NEC、キャノンなどの工場で導入されている。特に、キヤノンが積極的に導入していることで知られる。同社では2002年以降、国内外問わず、全ての工場でセル生産方式を実施している。その結果、最大で30%の生産効率の向上が見られたという。また、1つの製品が完成するまでの全工程をこなせるなどの優れた作業者を認定する「マイスター称号制を設けている。さらに、子会社のキャノン電子では、製造部門のみならず、開発部門、販売部門など、すべての部門でセル生産方式を独自に発展させた「セル生産システム」を実践している。

問題

セル生産方式の場合と、ベルトコンベア方式の流れ作業の場合では、その作業員が担当する工程にどのような違いがあるか。

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