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X線【えっくすせん】

X線とは電磁波の一種であり、通常目で見ることのできる光と比べると波長が極めて短いのが特徴であり、0.04〜0.25mm程度である。波長の短さより、持つエネルギーが高く、原子の位置情報や元素の同定に利用することができる。

関連した単語

X線の回折と散乱過程(トムソン散乱、コンプトン散乱)

X線が物質に当たると、大部分はそのまま透過し、残りの一部は物質中で電子によって散乱される。散乱されるX線はそのエネルギーによって、トムソン散乱とコンプトン散乱に分けられる。トムソン散乱はX線回折にかかわる散乱X線で、入射X線と同じ波長と同じ波長のX線である。一方、コンプトン散乱は、X線が物質中の電子に散乱される際にエネルギーの一部を電子に渡して、入射X線より少し波長の長い、つまりエネルギーの低いX線として散乱される。 X線の波長は物質中の原子間の距離とほぼ同程度の長さのため、入射するX線は物質中の原子の周りにある電子に散乱されてX線同士が干渉してX線回折として観測される。干渉の結果には物質中の原子の並び方が反映されているので、X線回折の情報を利用することで、物質構造の情報を得ることができる。しかし、物質構造を得るための過程にはフーリエ変換という数学的な過程も必要である。

X線を用いた顕微鏡への応用例

X線を利用することで肉眼では見えない原子や分子を三次元イメージとして視覚化することができる。このようなことができることによって、物質を理解したり、ミクロの単位で設計したり、利用したりすることができ、様々な場面で役立つ。これらのことを可能にするのがX線回折の測定手法である。 また現在一般的にX線を用いた測定技術としては代表的なものは、光電子顕微鏡や透過型X線顕微鏡、走査型透過X線顕微鏡、X線フーリエ変換ホログラフィが挙げられる。光電子顕微鏡は光励起により個体表面より放出された光電子や2次電子を電子光学系で拡大・結像する装置である。近年ではさらなる高性能化を目指し、東大物性研のレーザーPEEMという実験装置では、空間分解能の物理的限界である、数nmが期待されている。透過型X線顕微鏡は試料に対してX線を照射して、透過してきた電子を結像して観察を行う電子顕微鏡である。走査型透過X線顕微鏡はゾーンプレートを用いてX線を試料上に微小スポットとして集光し、試料スキャンを行うことによってイメージを得る。つまり、空間分解能はX線のスポットサイズによって決まる。

X線の生体への放射線としての影響

X線は利用面が多いが、一方では放射線としての負の面も合わせ持っている。放射線は生物を通過すると、電離作用によって体内にラジカルを作り、高分子を切断したり、損傷を与えることがある。生体は回復力があるため、軽い損傷は修復できるが、ある程度以上放射線を受けると放射線障害を起こす可能性があるため注意が必要である。

問題

X線に関してのトムソン散乱とコンプトン散乱について説明しなさい

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